なぜあなたの仕事は終わらないのか?

「今日も残業だ。
仕事が終わらない。
また先送りをしてしまった。
やりたいことが全然できない。
もっと効率的な方法があるんじゃないか」
(中島聡「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか」より)

子供を育て、必死にキャリアを求めながらも仕事にしがみつき、気が付けば40代半ば。
毎月の残業80~100時間が当たり前、何のために働いているのか、今の仕事が本当にやりたかったのかどうかも分からなくなっている今日この頃、弱った私の心に突き刺さった言葉です。この言葉の主はまさに私の心の声だからです。

なぜ仕事が終わらないか?

同書では、以下を業務が終わらない原因として挙げています。
①安請け合いをしてしまう
②ギリギリまでやらない
③計画の見積もりをしない

これらが自分に当てはまるかを考えてみたところ、私は①が大いに当てはまりました。
また、③は見積もりをしているつもりですが、いつも想定通りに終わらないので、③も当てはまることがわかりました。

ロケットスタート時間術とは

同書では、ロケットスタート時間術を薦めています。
ロケットスタートとは、最初に仕事の8割を終わらせて、余裕をもって仕事を終わらせるという手法ですが、著者はラストスパート志向が諸悪の根源であり、最後に頑張ればなんとかなるという根本的な過ちを改めるところから始めないといけないと述べています。

ポイントとしては、
・最初の2日で仕事の8割を終わらせる(ここがロケットスタート)
・仕事の提出を前倒しにはしない(前倒しにすると、短い期間でできると思われ、仕事が増える。仕事を最速で終わらせてはいけない)
・期間が10日だとしたら、最初の2日がロケットスタート、残りは流しの期間で、余裕をもって完成度の高い仕事を仕上げる
・ロケットスタート時期は、業務に集中するため、メールの返信もしない
・1日の業務の最初の2時間半もロケットスタートを使い、1日のメインの仕事の8割を終わらせるようにする
・少なくとも午前中はメールや電話、ミーティングもせず、メインの仕事にあてる
・午後は流しの時間のため、メールや打ち合わせ、電話対応などを行う
となります。
つまり、マルチタスクをやめて仕事の効率化を上げる、ということですが、そもそも複数の案件を抱えていて締め切りの差し迫った人には使えない方法であるとも言及しています。

ロケットスタート時間術を自分のものにするために

ロケットスタート時間術の本質とは、余裕を持つことであり、高速で仕事を終わらせていくことではないとのことですが、我々の仕事にカスタマイズする方法も紹介されています。
それは、たとえば3つ案件を同時並行しないといけない場合、朝の時間をロケットスタートと流し、昼をロケットスタートと流し、夜をロケットスタートと流しに、1日を区切るという方法です。
1日何時間働く想定の時間術なの?という感じでなかなか現実的には厳しいと思いますが、この無理だと思える方法を実行しないと終わらないということはそもそも追われない業務量を抱えているのだと気づかされました。

時間術を駆使してもうまくいかない場合の原因と対応策は、以下の通りと述べられています。
・集中力が足りない→朝の時間を使う。1時間早く寝て、1時間早く起きて効率化する
・仕事が自分のキャパを超えている→納期延長か、仕事を断るしかない
・他の人の仕事が遅れている→相手が遅れていることと、自分が仕事ができないことは別問題。できることを進めていく

結局のところ。。。

同書籍を読んだ感想としては、著者はエンジニアであり、複数案件を同時に抱えることのない業務の方でおられるため、一般的な会社員や私のように顧客を抱える士業でいつも締め切りに追われている職種には難しいのだと思いました。

ただ、1番心に響いた言葉があります。

「実際、仕事を抱えすぎていた人、いつまでも仕事が終わらなかった人が、本書の仕事術を導入するのは非常に困難なことです。なぜなら、いやでいやでしょうがなかったにもかからわず、あなたの仕事がいつまでも終わらなかったのは、あなたがその困難な状況と向き合うことを避けてきたからです」

大変痛い言葉です。仕事を安請け合いして身動き取れなかったのは、仕事を受けることで信頼をしてもらいたかったし、自分を認めてほしいという自己承認欲求でもあり、自分の自信のなさでもあるからです。

私は毎月の残業で心身の健康をむしばまれ、後がないほど追い込まれています。
転職というのも最後の道としてはあるのですが、できる限りのことをやってからの方が自分も納得できると思いますし、マルチタスクを行ってしまったり、時間をうまく使えていなかったり、読みが甘かったり、自分の中にも反省点が多々あるため、自分に落ち度がないという状態にまでしておいてから、判断したいと思うからです。
同書で述べられている時間術を実行することで、どの程度残業を減らし心身の健康を取り戻せるのか(はたまた、転職しか道がないのか)、実際に行動して検証していきたいと思います。

時間術,未分類

Posted by taka